第39回年次学術大会一般講演募集要領[受付終了しました]
更新日:2024年07月12日
一般社団法人研究・イノベーション学会
第39回年次学術大会 一般講演募集要領
来たる10月26(土)〜10月27日(日)、オンライン開催される第39回年次学術大会の一般講演募集要領は、以下のとおりです。
1.講演発表の内容
(1) 課 題
1) 恒常イシュー
科学技術の経営や政策に関わる課題の他、研究・開発の計画・立案・調査・管理・評価等、および関連する人材・組織・社会等に関する研究報告、事例報告。
① 技術経営(戦略・R&Dマネジメント),② 技術経営(教育・育成),③ 技術経営(事例・ビジネスモデル・事業化),④ 知的財産,⑤ 産官学連携・地域,⑥ 研究・イノベーション政策,⑦ イノベーション・起業,⑧ 国際(競争と協調),⑨ 人材,⑩ 分析と評価,⑪ 科学と社会,⑫ その他(具体的に記述してください)
上記の恒常イシューもしくは下記のホットイシューの中から、発表内容カテゴリーの第一、第二希望をお選びください。ただし、選択された以外のカテゴリーでご発表いただく可能性もあります。
2) ホットイシュー
ホットイシューとして、今次大会は特に次の11のテーマに焦点を絞ります。毎年継続して実施している研究報告・事例報告などは恒常イシューとし、ホットイシューでは、以下のテーマについて、産官学それぞれの立場からの研究発表を期待いたします。
A)AIと人間の共進化のための課題と展望
近年、AIの進化は目覚ましく、多くの分野でその力を発揮しています。AIは人間の生活を豊かにし、社会経済や地球環境の発展に大きく寄与する一方で、その急速な進展が一部では脅威とも捉えられています。本セッションでは、AIと人間がどのように協力し合い、共に成長していけるかを多角的な視点から議論を深める場を提供します。そこで、AIの技術水準の現状を評価し、AIが何をどこまでできるかを明確ににし、またそれに対して人間がどのように行動すべきかについて議論し、持続可能な未来に向けた具体的なアプローチを模索します。また、科学者や技術者がAIと協働する際の具体的な役割と、AIと人間との相互補完的な関係の方向性も探ります。
B)技術革新に頼らないイノベーション
シュンペーターが提唱した「新結合」では、新しい財貨の生産に加え、新しい生産方法の導入、新しい販路の開拓、原料の新しい供給源の獲得、新しい組織の実現の5つのパターンについて述べられており、技術革新のみならず、さまざまなイノベーションの創出が望まれる。本セッションでは、市場結合型イノベーション、顧客中心のアプローチ、エシステムの構築、アジャイルイノベーションなど、技術革新に頼らずに経営的なインパクトを強める具体的なイノベーションの手法と実例を共有し、グローバル市場で競争力が低下している日本が目指すべき新たな戦略について議論する。
C)パンデミック環境において組織が失ったこと、得たこと
2020年初、ダイヤモンド・プリンセスから始まったパンデミック環境は日本の組織活動に多様な試練の機会を提起した。厚生労働省から2023年4月27日に「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に係る新型インフルエンザ等感染症から5類感染症への移行について」とする通達が出され、1年以上が経過した現時点において、パンデミック環境において組織が失ったこと、得たことについて、整理・分析することが必要である。本ホットイシューでは、「産」「学」「官」「地域」における事例研究を通じて分析し、取り組まれてきた諸活動のまとめを行うことにより、今後への指針と致したい。
D)再生的経済社会に向けた技術経営
持続可能性から再生的経済社会への転換を目指す中、グローバルな議論はカーボンニュートラル(CN)、サーキュラーエコノミー(CE)、ネイチャーポジティブ(NP)の観点で進められている。日本ではCNやCEの議論が進んでいる一方、NPはまだ初期段階である。これらの議論は生産側だけでなく消費者の参加が重要だが、グリーンウォッシングなどの問題があり、消費者の動機づけが課題となっている。また、CEについては資源管理やリスクマネジメントなど幅広い視点からの議論が必要だが、現状では不十分である。このホットイッシューでは、CEの課題や論点を議論し、NPの技術経営に向けた取り組みについても討議を行いたい。
E)デジタルツインの Pros & Cons
デジタルツインは気象や火山活動など地球上の様々な自然現象から技術設備、原材料加工、製造、そして完成した技術製品、システムなどの人工物、さらには人間の生理機能や認知機能の再現など、多様な事象への応用が可能であり、新たなインフラ技術としての期待がもたれている。しかし、様々な事象を精緻に再現することには技術的な利点のみならず、本来なら秘匿すべき機微な情報や個人のプライバシー、尊厳にかかわる情報の予期せぬ流出や介入などのリスクも伴うことが予想される。本ホットイシューは、デジタルツインをイノベーションに適正に活用するための利点とリスクについて議論の場を提供できる。
F)イノベーション・エコシステムにおける標準のリ・ポジショニング
イノベーションの実現において、標準は、社会実装及び普及のフェーズに向けた打ち手として有効であるが、その目的意識がイノベーションの実現や競争戦略としての位置づけとリンクしていないケースが散見される。その要因の一つとして、標準が経営・事業・R&D戦略として認識されておらず、日本のイノベーション・エコシステムの中に標準が位置づけられていないことが挙げられる。知的財産基本計画2024においては、標準の戦略的活用の推進が重点施策の一つとして挙げられている。当学会においても、昨年「標準化の科学」研究懇談会が立ち上げられた。本ホットイシューでは、市場創出やイノベーションの実現に向けた標準の在り方や、経営者等の戦略意思決定者への認識共有と人材育成の在り方について討議する。
G)産業界主導による企業間・異分野連携促進と人財育成
日本は諸外国と比較してスタートアップ文化やビジネスエコシステムで遅れを取っていると言われます。新市場創出、多様なスキル獲得、柔軟な思考育成、人的資本の有効活用、技術革新の促進など、日本の今後の経済成長と持続可能な社会の形成において、産業界主導による企業間:異分野連携およびそれによる人財育成は、国際的な日本の位置づけを高める上でも重要と考えられます。本セッションではそのための挑戦や展望、現状の問題点などを議論いたします。そして、企業におけるオープンイノベーション拠点の設立、企業間あるいは異分野間でのコンソーシアム形成、企業による若手研究者への助成など、の在り方についても探索します。
H)産業立地と地域経営の新たな展開
世界での半導体需要の高まりにより、台湾TSMCの熊本工場、次世代半導体の国産化を目指すラピダスの北海道千歳工場、キオクシアの岩手県北上工場など、海外からの投資も含め、日本における半導体拠点をめぐる工場誘致が注目されている。これらの工場誘致は、新たな雇用と経済効果が見込まれ、地域創生モデルとして期待されている。企業誘致や起業城下町についての議論はこれまでもあったが、本セッションでは、経済安全保障、再生エネルギー、電力供給源、AI・ビッグデータ、産官学民連携、オープンイノベーションなど、現代の新たな視座で、工場立地、産業集積、エコシステムなどとともに、新たな地域経営のあり方について議論する。
I)イノベーション促進のためのダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン
今後、少子高齢化とそれに起因する人手不足が常態化する中で、他国と比肩し得るレベルでイノベーションを促進するためには、優秀な研究開発人材の確保が不可欠となる。能力があっても雇用機会に恵まれなかった未活用人材の有効活用を推進し、量的な確保を図ると共に、人材の多様性に富んだより創発的な研究開発環境を構築する、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンの視点は、そのための一方策となる。本イシューでは、性別・年齢・国籍・人種等の属性だけではなく個々人の状況・能力・価値観等も踏まえた、多様な雇用形態や支援の取組や、そのイノベーションへの効果の評価、推進施策等、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンに関連する課題を議論したい。
J)いま「研究力」をどう捉えるか ─エビデンスをめぐる多様な視点
現在、我が国において研究力強化はSTI分野の最重要の政策課題の一つとなっている。だが、研究力に関わるエビデンスを的確に解釈し、多様な専門知・実践知と統合しつつ政策課題に適用していくことは容易ではない。各分野・セクターのステークホルダーはエビデンスに対して異なる視点をもち得るし、そもそも研究力とは何かという認識もさまざまである。したがって研究力強化に関わる政策立案は、多様なステークホルダーの相互理解を確保しながら、幅広いエビデンス及び知見を踏まえてなされる必要がある。本ホットイシューでは、我が国にいま求められている研究力とは何か、そうした研究力を実現するための政策立案においてエビデンスはどう活用されるべきかを多面的に議論する。
K)経済安全保障、地政学、グローバルサウス
科学技術・イノベーション政策においてグローバルサウスが今までと異なる側面から議論されている。今までは海外直接投資やサプラーチェーンに起因する途上国への技術移転(伝播)や能力構築、キャッチアップ過程について研究が中心的であったが、近年では経済安全保障というという切り口から、サプライチェーン、技術・知識循環に係る人や技術の流れとグローバルサウスの関与に関心が寄せられている。なお、グローバルサウスは、気候変動、感染症対策など地球課題への対応においては欠かすことのできない協働パートナーである。さらにデジタル技術など新興技術と用いたスタートアップなどの分野では、課題の多い途上国では革新的なビジネスモデルの展開がなされている。ここではグローバルサウスを背景に起こりつつある科学技術・イノベーションに関わる様々な研究を取り上げ、理解を試みる。
(2) 発表内容は、最近の研究で未発表のものを原則とします。一部既発表のものを含む場合は、未発表部分が主体となるようご配慮ください。
(3) 発表時間は講演時間12分、討論5分、入れ替え時間3分を予定しています。ホットイシューに関しては、4~6件程度の一連の発表が終了した後に、17分の総合討論の時間が設けられます。(ホットイシューについても、各講演12分の後に5分間の討論時間を設けております。)
(4) ホットイシューは発表の集まり具合を見て、それぞれの内容に関してさらに特定のテーマに絞る場合があります。また、一部の発表は恒常イシューに移させていただく可能性がありますので、ご了承ください。
(5) 一般講演発表は、すべてZoomを用いたオンラインで実施します。
- Zoomをご自身のパソコン等にインストールし、アカウントの設定(サインアップ)を行ってください。インターネット接続が可能な環境をご準備ください。マイクとカメラが正常に機能するかどうかをあらかじめご確認ください。また、画面共有の方法をあらかじめご確認ください。
Zoomの利用が所属組織等により禁止されている場合は、ご自宅等の個人環境でご利用ください。ホストとなる必要はありませんので、参加者としてのZoomの利用は無料です。 - 当日までに一度、Zoom接続・動作確認の機会を設ける予定です。年次学術大会当日も試写(画面共有や映像・音声のテスト)を行うための部屋をZoomにより設ける予定です。
- 当日は、ご自身のパソコンから、パワーポイント・PDF等のファイルを「画面共有」しながらお話しいただく形で、ご発表ください。
- 大会実行委員会ならびに学会事務局は、通信状況やパソコン・ソフトウェア等の障害・不具合を原因とした、発表の不実施や中断について、責任を負いません。円滑な進行のため、いかなる理由であっても、時間内に発表終了とします。
- ZoomのリンクあるいはミーティングIDやパスワードは、参加登録者の皆様に、事前にお知らせします。これらの情報の第三者への提供を禁じます。
- 当日は、Zoomの画面上、右クリックで「名前の変更」を選び、ご自身のお名前・ご所属を明記の上、ご参加ください。(参加登録した氏名が表示されていない場合は、参加登録者以外が入ってきたものとみなして、参加不可能となる場合がございます。)
- この年次学術大会に関して、録音・録画・撮影・同時配信を禁じます。
- 発表の妨げとなるような行為を禁じます。
- その他、必要に応じて、一般講演発表者へは、大会当日の運営方法・変更点等をお知らせします。
(6) 職務・他学会での発表等の理由で、発表日時のご希望がありましたら、可能な限り考慮いたしますので、申込フォームの通信欄にご記入ください(前年と同様、土曜日の午後にも一般講演発表を実施しますので、土曜日午後の発表が不可能な場合は、それについてもご記載ください)。
(7) 例年同様、要旨集(オンラインでダウンロード可能なもの)を作成いたします。発表者には、後日、要旨集に掲載する原稿をご提出いただきますが、この原稿の著作権は本学会に帰属することをご了承ください。ただし著者ご自身が学術活動にご使用になることにつきましては、何ら問題ありません。
講演原稿提出の締切日は9月25日(水)です。 締切りの延長はいたしませんので、このスケジュールでご提出いただけるかどうかを十分にご検討のうえ、お申し込みください。
8月上旬に原稿執筆要領・テンプレートを学会HPに掲載します。講演番号は8月下旬〜9月上旬にお知らせいたします。
原稿はA4サイズ、ページ数は原則として4ページ以内ですが、必要があれば6ページまでは受け付けます。
※ お申し込み時の講演題目・講演者名(共同講演者を含む)の、原稿提出段階での変更はできませんのでご注意ください。
(8) オンラインでの発表に加えて、会場での発表・議論もご希望の方は、10月28日(月)に、北陸先端科学技術大学院大学東京サテライト(品川インターシティ内)において、発表時間を設ける予定です。
ご希望の方は、一般発表申込フォームの該当欄で、その旨をチェックしてください。
ただし、「オンラインでの発表をせず、会場のみで発表したい」というご希望は、受け付けておりません。
(9) 他者の著作権を侵害しないよう、発表者の責任で、講演原稿ならびに発表スライドにおける記載内容にご注意ください。
2.発表資格
登壇者は、2024年7月31日時点で本学会の会員資格を有する方(法人会員およびグループ会員の準登録者を含む)に限ります。発表件数に制限はありません。
新たに入会して発表を希望される方は、2024年7月31日までに、2025年度(2024.10.1〜2025.9.30)分の会費を前納し、入会手続きを完了させていただく必要があります。
入会案内・申込方法につきましては、こちらをご参照ください。
「入会申込」と「一般講演申込」を並行して申請される方は、一般講演申込フォームの「登壇者会員番号」欄には「申請中」とご記入ください。
また、一般講演申込をされる会員で、ご自身の会員番号がわからない方は、一般講演申込フォームの「登壇者会員番号」欄に「不明」とご記入ください。
例年と同様に、参加者は全員、参加登録が必要となります。発表者も必ず事前の参加登録・参加費の支払いが必要です。参加登録の詳細・申込フォーム等につきましては9月中旬頃に掲載いたします。
3.申込方法
4.申込締切日
「ホットイシュー」「恒常イシュー」ともに
2024年7月31日(水) 必着
5.「ベストペーパーアワード」,「スチューデントアワード」について
詳細についてはこちらをご参照ください。
お問い合わせ先:
一般社団法人研究・イノベーション学会 事務局
E-mail: office@jsrpim.jp