第38回年次学術大会一般講演募集要領[7月31日締切]
更新日:2023年07月14日
研究・イノベーション学会
第38回年次学術大会 一般講演募集要領
来たる10月28(土)〜10月29日(日)、オンライン開催される第38回年次学術大会の一般講演募集要領は、以下のとおりです。
1.講演発表の内容
(1) 課 題
1) 恒常イシュー
科学技術の経営や政策に関わる課題の他、研究・開発の計画・立案・調査・管理・評価等、および関連する人材・組織・社会等に関する研究報告、事例報告。
① 技術経営(戦略・R&Dマネジメント),② 技術経営(教育・育成),③ 技術経営(事例・ビジネスモデル・事業化),④ 知的財産,⑤ 産官学連携・地域,⑥ 研究・イノベーション政策,⑦ イノベーション・起業,⑧ 国際(競争と協調),⑨ 人材,⑩ 分析と評価,⑪ 科学と社会,⑫ その他(具体的に記述してください)
上記の恒常イシューもしくは下記のホットイシューの中から、発表内容カテゴリーの第一、第二希望をお選びください。ただし、選択された以外のカテゴリーでご発表いただく可能性もあります。
2) ホットイシュー
ホットイシューとして、今次大会は特に次の10のテーマに焦点を絞ります。毎年継続して実施している研究報告・事例報告などは恒常イシューとし、ホットイシューでは、以下のテーマについて、産官学それぞれの立場からの研究発表を期待いたします。
A)AIによるイノベーションへの衝撃~生成AIやLLMの課題と可能性~
近年のAI技術の発展により、従来困難であった生成AIなどが実現され、汎用性が高く定性的推論が可能なAIを誰もが入手可能となった。一方、AIはサービス産業、特に研究・教育の現場に新たな可能性を提供しつつも、急速な進展に伴い社会との軋轢も顕在化している。さらに、組織の知識創造において人間とAIとの共創にも期待が生じている。本セッションでは、近年の生成AIやLLM等のAI技術によるイノベーションマネジメントへの影響やその活用の具体的事例、それらAIに纏わる社会的・倫理的課題(ELSI)や責任ある科学技術イノベーション(RRI)の議論等について、集中的に討議する。
B)オープンサイエンス推進のための諸課題とインパクト・サイエンスへの展開
オープンサイエンス(OS)の推進は、G7科学技術大臣会合でも大きく取り上げられているように、今後国際的な協調の下で重点的に取り組むべき課題と言える。OSの推進のためには、従来型の科学との違いを考慮した評価システムの確立やインテグリティの担保が不可欠となる。また、OSの極めて動的な性質を考慮するならば、より良い研究開発エコシステム構築のために、研究アウトプット・アウトカム、投資情報など研究開発に関連各種情報を収集・分析するインパクト・サイエンスの活動も必要となる。本セッションでは、今後のOSの推進の基盤となる上記をはじめとする諸課題について、事例の共有を行うとともに、今後の在り方についても議論したい。
C)リスクマネジメントと研究インテグリティー
2023年5月のG7仙台科学技術大臣会合においても、「信頼に基づく、オープンで発展性のある研究エコシステムの実現」が掲げられ、今後の科学技術政策の方向性として、「科学研究の自由と包摂性の尊重とオープン・サイエンスの推進」、「研究セキュリティとインテグリティの取組による信頼ある科学研究の促進」、「地球規模課題解決に向けた科学技術国際協力」が提唱されている。本セッションでは、アカデミア法務の対象であるリスクマネジメント・コンプライアンスにかかるテーマ、産学連携のリスク管理、知的財産戦略、生物遺伝資源や研究データの利活用、経済安全保障、研究インテグリティ確保の方策、研究不正対応、ハラスメント対応等について議論する。
D)次世代の技術経営
近年、技術の進歩のスピードが加速するとともに、気候変動や感染症蔓延や安全保障などの不確実性も増加している。このような環境変化に対応するため、技術経営のあり方を抜本的に変えていく必要がある。例えば、技術をより戦略的に活用することが重要になり、自社にとって最適な技術を戦略的に選択し、技術を活用するための仕組みや組織も整備する必要がある。また、オープンイノベーションの活用や技術を活用するための人材やノウハウを獲得することも重要である。さらに、サステナビリティなどの社会課題に対して技術に関連してどう対処していくかも重要である。本セッションでは、このような次世代の技術経営のあり方について議論したい。
E)ウェルビーイングと次世代都市デザイン
先端的ICTを始めとする技術の活用とマネジメントの高度化は、地域が持続的に自らの課題を解決し、新しい価値を創出し続ける機会を提案している。これは都市のスマート化と呼ばれ、地域内データ共有・活用を通じた産業育成、新しい価値観を伴う技術利用(空飛ぶクルマ構想など)、地域資源循環の促進、シビックプライドの醸成を通じた住民起点のまちづくりといった、次世代都市デザインに向けたアイデア創造促進が期待されている。ここで重要なことは、こうした地域のスマート化技術ならびに関連サービスが、生活者のウェルビーイングを的確に捉え、それを生活者自らが持続的に醸成できるよう効果的に支援していけるかにあろう。本セッションではこの意識に基づき、次世代都市のデザインをウェルビーイング、技術経営、サービス経営に関わる視点で議論したい。
F)科学技術における生産性向上
我が国における研究力の国際競争力の低下が問題視され久しいが、研究力強化に対する論点や課題意識はバックグラウンドの違いから無数に存在している。そのため、結論はリソース不足(例えば研究資金や研究関連人材の不足)といった抽象的なものとなりやすく、効果的な政策立案につながっているとは言い難い。本セッションでは、「科学技術における生産性」に焦点をあて、研究におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)、リソースの共有・再分配による研究開発活動の活性化、及び研究開発エコシステム等の好循環の実現が研究力強化にどのように寄与するかについて議論を行う。
G)新たなイノベーションの創造に向けての倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)への実践的対応
科学技術が人や社会と調和する社会に向けて、科学技術がもたらす倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)を予見し解決することは重要である。一方、公害・地球環境への対応や高齢化社会への対応がイノベーションをけん引したのと同様に、ELSIへの対応がさらなるイノベーションに繋がることも予見される。本セッションでは、さらなるイノベーションに繋がるプロアクティブなELSIへの実践的対応事例を取り上げる。
H)スタートアップと地域創生
バブル崩壊後の「失われた30年」は、わが国の経済成長に長期に渡る停滞を与えた。政府は、「新しい資本主義のグランドデザイン」の閣議決定((2022年6月7日)を基にスタートアップ10万社育成を目指す「スタートアップ育成5か年計画」を11月に決定した。そして、「本年をスタートアップ元年とし、戦後の創業期に次ぐ、第2の創業ブームを実現する」として、スタートアップへの投資額を2027年度に10兆円規模に増額するとしている。大学・研究機関、企業・企業集団、自治体にはスタートアップに対する多くの経験が蓄積されている。この経験の集大成によって起業の成功率を高めることが何よりも必要である。本セッションでは、スタートアップを先導する企業の発表を基に議論したい
I)我が国の成長を支えるイノベーション・コモンズ~研究環境構築と人材育成~
現在、政府は、大学ファンドや地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージなど強力な支援策を打ち出している。今後、持続的なイノベーションの創出を促すためには、コアファシリティ化など研究基盤のシステム化による異なる組織や領域が連携する場の提供が重要となる。加えて、大学や企業、地域の特色と強みを活かした共創拠点化など、創造的アイデアの交流を促すイノベーションハブ機能、持続可能なイノベーションエコシステムの構築も重要な視点となる。加えて、これらを支えるURAや技術職員といった専門家の育成も重要な課題である。本セッションでは、これら我が国の成長を支える環境構築と人材育成について多面的な議論を行いたい。
J)ヘルスイノベーション・エコシステム
今般のパンデミックでは、ワクチン、検査薬、治療薬などのイノベーション創出にかつてない期待が寄せられた。ただし、製品化成功確率が他分野と比較して相対的に低いヘルスケア領域では、一定の失敗や試行錯誤を許容してでも多くの挑戦に取り組むことが実現可能性を向上させると考えられる。本年6/16に閣議決定された骨太方針2023においても、デジタル技術を活用したヘルスケアイノベーションの推進やデジタルヘルスを含めた医療分野のスタートアップへの伴走支援などの環境整備(挑戦に伴う失敗を許容する基盤としてのエコシステムの形成)への取り組みが掲げられている。本セッションでは、不確実性が優勢のヘルスケア分野において、エコシステムが機能するための冗長性、インパクト投資、薬事制度論等の仕組み・取り組みについての議論を行う。
(2) 発表内容は、最近の研究で未発表のものを原則とします。一部既発表のものを含む場合は、未発表部分が主体となるようご配慮ください。
(3) 発表時間は講演時間12分、討論5分、入れ替え時間3分を予定しています。ホットイシューに関しては、4~6件程度の一連の発表が終了した後に、17分の総合討論の時間が設けられます。(ホットイシューについても、各講演12分の後に5分間の討論時間を設けております。)
(4) ホットイシューは発表の集まり具合を見て、それぞれの内容に関してさらに特定のテーマに絞る場合があります。また、一部の発表は恒常イシューに移させていただく可能性がありますので、ご了承ください。
(5) 一般講演発表は、すべてZoomを用いたオンラインで実施します。
- Zoomをご自身のパソコン等にインストールし、アカウントの設定(サインアップ)を行ってください。インターネット接続が可能な環境をご準備ください。マイクとカメラが正常に機能するかどうかをあらかじめご確認ください。また、画面共有の方法をあらかじめご確認ください。
Zoomの利用が所属組織等により禁止されている場合は、ご自宅等の個人環境でご利用ください。ホストとなる必要はありませんので、参加者としてのZoomの利用は無料です。 - 当日までに一度、Zoom接続・動作確認の機会を設ける予定です。年次学術大会当日も試写(画面共有や映像・音声のテスト)を行うための部屋をZoomにより設ける予定です。
- 当日は、ご自身のパソコンから、パワーポイント・PDF等のファイルを「画面共有」しながらお話しいただく形で、ご発表ください。
- 大会実行委員会ならびに学会事務局は、通信状況やパソコン・ソフトウェア等の障害・不具合を原因とした、発表の不実施や中断について、責任を負いません。円滑な進行のため、いかなる理由であっても、時間内に発表終了とします。
- ZoomのリンクあるいはミーティングIDやパスワードは、参加登録者の皆様に、事前にお知らせします。これらの情報の第三者への提供を禁じます。
- 当日は、Zoomの画面上、右クリックで「名前の変更」を選び、ご自身のお名前・ご所属を明記の上、ご参加ください。(参加登録した氏名が表示されていない場合は、参加登録者以外が入ってきたものとみなして、参加不可能となる場合がございます。)
- この年次学術大会に関して、録音・録画・撮影・同時配信を禁じます。
- 発表の妨げとなるような行為を禁じます。
- その他、必要に応じて、一般講演発表者へは、大会当日の運営方法・変更点等をお知らせします。
(6) 職務・他学会での発表等の理由で、発表日時のご希望がありましたら、可能な限り考慮いたしますので、申込フォームの通信欄にご記入ください(前年と同様、土曜日の午後にも一般講演発表を実施しますので、土曜日午後の発表が不可能な場合は、それについてもご記載ください)。
(7) 例年同様、要旨集(オンラインでダウンロード可能なもの)を作成いたします。発表者には、後日、要旨集に掲載する原稿をご提出いただきますが、この原稿の著作権は本学会に帰属することをご了承ください。ただし著者ご自身が学術活動にご使用になることにつきましては、何ら問題ありません。
講演原稿提出の締切日は9月20日(水)です。 締切りの延長はいたしませんので、このスケジュールでご提出いただけるかどうかを十分にご検討のうえ、お申し込みください。
8月上旬に原稿執筆要領・テンプレートを学会HPに掲載します。講演番号は8月下旬〜9月上旬にお知らせいたします。
原稿はA4サイズ、ページ数は原則として4ページ以内ですが、必要があれば6ページまでは受け付けます。
※ お申し込み時の講演題目・講演者名(共同講演者を含む)の、原稿提出段階での変更はできませんのでご注意ください。
(8) オンラインでの発表に加えて、会場での発表・議論もご希望の方は、11月22日(水)10:00-16:00の時間帯に、北陸先端科学技術大学院大学東京サテライト(品川インターシティ内)において、発表時間を設ける予定です(同日、総会も開催される予定です)。
ご希望の方は、一般発表申込フォームの該当欄で、その旨をチェックしてください。
ただし、「オンラインでの発表をせず、会場のみで発表したい」というご希望は、受け付けておりません。
(9) 他者の著作権を侵害しないよう、発表者の責任で、講演原稿ならびに発表スライドにおける記載内容にご注意ください。
2.発表資格
登壇者は、2023年7月31日時点で本学会の会員資格を有する方(法人会員およびグループ会員の準登録者を含む)に限ります。発表件数に制限はありません。
新たに入会して発表を希望される方は、2023年7月31日までに、2024年度(2023.10.1〜2024.9.30)分の会費を前納し、入会手続きを完了させていただく必要があります。
入会案内・申込方法につきましては、こちらをご参照ください。
「入会申込」と「一般講演申込」を並行して申請される方は、一般講演申込フォームの「登壇者会員番号」欄には「申請中」とご記入ください。
また、一般講演申込をされる会員で、ご自身の会員番号がわからない方は、一般講演申込フォームの「登壇者会員番号」欄に「不明」とご記入ください。
例年と同様に、参加者は全員、参加登録が必要となります。発表者も必ず事前の参加登録・参加費の支払いが必要です。参加登録の詳細・申込フォーム等につきましては9月中旬頃に掲載いたします。
3.申込方法
一般講演申込フォーム (受付終了しました)
4.申込締切日
「ホットイシュー」「恒常イシュー」ともに
2023年7月31日(月) 必着
5.「ベストペーパーアワード」,「スチューデントアワード」について
詳細についてはこちらをご参照ください。
お問い合わせ先:
研究・イノベーション学会 事務局
E-mail: office@jsrpim.jp