第38回年次学術大会 ホットイシューの募集について[5月31日締切]

更新日:2023年05月25日

第38回年次学術大会 (2023年度)

ホットイシューの募集について

研究・イノベーション学会では、第38回年次学術大会(10月28日、29日、オンラインにて開催)の一般講演(会員による研究発表)におけるホットイシューのテーマを、会員の皆様から広く募集いたします。ホットイシューに選ばれたテーマに関わる一般講演では、4発表程度毎に15分自由討議の時間を設けます。

ホットイシューの具体的な選定基準は次のようなものです。
・時機を得たものであること。ただし、追随的ではなく、当学会としてとりあげるに相応しい先導的、先見的なテーマ・課題であること。
・社会的意義やインパクトの大きなものであること。
・公共政策と企業経営の両者を横断するテーマ或いは課題であること。

ご提案のある方は、ホットイシューのテーマとそれを提案する理由を300字以内でまとめ、2023年5月31日(水)必着で、以下のWebフォームでお送りください。会員各位からの提案を踏まえ、最終的に業務委員会にて協議し、数テーマを決定いたします。
https://forms.gle/ifckXFTESwaTSBKo8

ご自身の研究テーマには直接関わりがないものの、昨今の経済・社会情勢から見て重要であると思われるテーマをお持ちの方、あるいはご自身の研究関心・課題について、それを多少広げた議題で他の会員と討論してみたい、またそうすることが社会的にも重要であると考えている方など、会員の皆様の積極的な応募をお待ちしております。


【参考】2022年度のホットイシュー

※ これらの例示にとらわれる必要はありませんが、参考までに昨年のものを掲載いたします。

 A)地域創生に資する人材の育成

「経済財政運営と改革の基本方針2021」(2021年6月18日閣議決定)は、「日本全体を元気にする活力ある地方創り~新たな地方創生の展開と分散国づくり~」として「東京一極集中を是正する。活力ある地方を創り、地方の所得を引き上げ、日本全体を元気にしていく。」(p12)と宣している。また、「地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージ」(2022年2月)でも、「地域社会における大学の活躍の促進」が掲げられている。 この重要課題である地方創生のハブを担うべき大学・研究機関では、研究力向上を託す若手研究者の育成と地域創生に資する人材の育成が求められている。また、地域の中小企業においても経営や技術を継承する人材の育成が喫緊の課題となっている。本セッションでは、地域創生を目指す様々な経済主体の人材育成の現状と課題について議論を行う。

B)Web3時代におけるビジネスおよび研究のDX

Web3関連技術、中でも分散台帳サービス(DLT)は、ビジネスでの変革(Web3, NFT, DAO, CBDC等)を通じてデジタル化は経済社会自体のありかたを変容させつつある。それに留まらず、研究情報の流通(研究マイクロデータの流通や二次利用の拡大、オープンアクセスの新形態)や共同研究の仕組み(コントリビューションの可視化や知識移転インセンティブの多様化等)にも潜在的に大きな影響を与える可能性を持っている。本企画セッションでは、Web3や関連技術を中心に、デジタル化・DXにまつわる幅広いイシューを対象として、今後の科学技術イノベーションの方向性についての議論を行う。

C)エビデンスに基づく科学技術政策の展開

日本政府は2017年にEBPM推進委員会を設置し、エビデンスに基づく科学技術政策(EBPM)の本格的な推進に乗り出した。現在では、科学技術・イノベーション基本計画(第6期)においても政策立案におけるエビデンスの活用が多くの項目で言及されるなど、EBPMの活用が進んでいる。EBPMの成功事例も多くみられるが、その実践状況にはばらつきがあり、目指すべき方向性も必ずしも明確とはいえない。本セッションでは諸外国におけるEBPMの状況や日本におけるEBPMの現状と課題を整理し、今後のEBPMのあるべき方向性を見定めそれを実現していくために何が必要かを議論する。なお、本セッションは学会誌特集号とリンクさせ、良好な発表については特集号編集委員と連携し論文化を支援する。

D)大学工学部への女子進学者が少ないのは何故か?

日本は男女ともに大学進学率は上昇しており、女子学生の理系進学も徐々にではあるが増加傾向にあると言われている。しかしながら、工学部への女子学生の進学は依然として少ないのが現状である。なぜ、女子学生は工学部への進学を選ばないのか、また大学の工学部はなぜ女子学生を惹きつけることはできないのか。これらの課題について、アカデミアの視点、企業の視点、そして学生や学生の保護者の視点から徹底的に議論を行う。

E)不確実な環境における新たなイノベーションマネジメント

COVID-19によるパンデミックリスク、ウクライナや東アジア地域における地政学リスク、海面の上昇や異常気象などの気候変動リスクなど、現代社会は不確実性が高く、その進展が確実に世界的危機につながる重大リスクを数多く抱えている。本セッションでは、このような将来の不確実性を念頭に置き、現在顕在化しつつある様々なリスクや変化等を踏まえ、産業や社会の発展と成長に貢献するために、イノベーションに何を期待し、その実現のために研究活動やマネジメントにどのような課題があるのかについて多面的な議論を行う。

F)「総合知」によるイノベーション創出

科学技術・イノベーション基本法においては、旧法において除外された「人文・社会科学(人文科学)のみに係る科学技術」も新たに振興対象となり、「科学技術・イノベーション創出の振興に当たっては、あらゆる分野の科学技術に関する知見を総合的に活用」するとされた。これを受けた第6期科学技術・イノベーション基本計画において、人文・社会科学の知と自然科学の知の融合による人間や社会の総合的理解と課題解決に貢献する「総合知」について検討が進められている。「総合知」による課題解決への気運が高まる現在、どういった事例が「総合知」の活用といえるのか、何が「総合知」の創出と活用の障害となるのか、そして「総合知」の重要な要素である人文・社会科学をどのように振興することが「総合知」の創出による社会のイノベーション実現につながるのか、本イシューでは「総合知」の創出とその活用に向けた諸課題について多面的な議論を行う。

G)大学等における知の基盤の未来

多様で個性的な大学群が、各研究者の研究活動を後押しし、その成果が新たな社会変革を牽引する。政府において、大学改革の促進と戦略的経営に関する機能拡張が議論され、若手の研究環境改善、研究DX、研究データの全国的な管理・利活用、研究設備・機器の共用化、多様な主体による共創の場の設置など、研究基盤の強化が行われている。また、国民や社会、地域における連携企画等の場を通じ、知の創出・融合や科学技術リテラシーの醸成・向上も欠かせない。本ホットイシューでは、大学等における知の基盤の現在および展望について、経営者、研究者、URA・技術職員を含む研究支援者など様々な立場から多面的な議論を行う。

H)脱炭素に向けた日本のイノベーション

脱炭素という課題はこれまで人類が直面した課題の中で最大の困難性を持つため、他の課題と同様の手法でそれを克服できるか不透明である。その克服には、技術開発に留まらず、事業構造、市場構造、政策、需要側の変革も含めて、これまでのイノベーションと質的に異なるアプローチが求められる可能性がある。このようなイノベーションにおいて日本が世界に伍して進むには、どのようなナショナル・イノベーション・システム(研究開発、人材流動性、起業環境、金融)が必要かについて、多面的な議論を行う。