会長挨拶(2020〜2021年度会長 原山優子)

更新日:2020年01月06日

会長挨拶

研究・イノベーション学会会長(2020〜2021年度)
原 山 優 子
(東北大学名誉教授)

1985年に「研究・技術計画学会」として設立され、2015年に「研究・イノベーション学会」に名称を変更した本学会は、研究開発・イノベーションに軸足を置き、科学技術、経営、政策の視点から学術研究を促進するとともに、理論と現場のつなぎ役として機能することを目指している。

時と共に、研究開発の意味付けは、科学技術の源泉からイノベーションの先導へと広がり、人々の行動、更には社会の価値観もその対象とされるようになってきた。これは、研究開発・イノベーションが経済活動のみならず社会の在り方にも深く影響を及ぼす時代になったことの現れであり、またこれは、研究開発の主体、更には科学技術イノベーション施策に関わる政策担当者にとって、その責務が「推進役」から「社会的責任」に拡大しつつあることを示唆すものでもある。

これらの変化を理解し、明日の行動に結び付けていくには、現象を客観的に捉え、分析し、レファランスとなる枠組みを構築することが必要となる。この一連の作業を実践し、その成果及び体験を学会の場で共有する、その主体が本学会の会員であり、そして個々の会員の貢献の積み重ねである学術的な知的体系および経験的知識の集積の一義的な受益者も会員であると認識する。

また、これらの活動には情報収集が欠かせないが、デジタル化が進む今日でも、進行中の現象を対象とする場合、情報へのアクセス、質の担保は困難極まる。新たなツールの開拓、データマネジメントのルール作りなど、学会としての活動範囲が広がる可能性は大である。

本学会の特徴は、所属先、専門分野、過去の体験からして様々な属性を持つ会員によって構成されている点にある。多様性と相互信頼を基軸に、真摯に討議し、行動する学会を目指し、本年度の活動を遂行して参ります。

 過去の会長挨拶

2019年度 桑原輝隆会長
2018年度 井川康夫会長
2017年度 宮崎久美子会長