学会誌の電子化等について

更新日:2018年11月12日

 

<学会誌の電子化について>

 

1.議論の前提

1)研究・イノベーション学会の財務状況を見ると、平成28年度以降、支出(事業費及び管理費)が、収入(会費収入及び事業費収入)を年間で150万円以上(平成28年度;155万円、平成29年度;187万円)上回る状態が続いている(年間で150万円以上の赤字)。

2)現行のまま推移すると、遅くとも平成35年度決算段階で繰越金が枯渇し、財政が破綻する(平成29年度決算段階の繰越金は、942万円となっている)。

3)支出の内訳を見ると、会誌発行費が500万円以上を占めており(平成29年度;526万円、平成28年度;544万円)、財政の健全化を図るには会誌発行費の低減が必須の状況となっている。

4)会誌発行費を低減するための有力な方策が「学会誌の電子化(冊子体での配布は廃止)」であり、これにより、会誌発行費を最大で年間100万円程度(現時点での事務局試算)低減することが可能になる。つまり、赤字幅が大きく縮小し、財政が改善される。

5)これらを受けて、早ければ平成31年度からの実行を目指し、学会全体として「学会誌の電子化」を図るための検討が進められている。

6)そのために、「学会誌の電子化」による影響(マイナス面も含む)を検討し、その妥当性を検証することが求められている。

2.議論の結果

1)編集委員会での議論の総意として、「学会誌の電子化」について肯定的な見解が示された。
─電子化をベースとするのが、全体的な趨勢である。
─電子化により「論文等を迅速に公開できるようになること(例えば、即日公開も可能)」は、学会員にとって大きなメリットである。
─実態として、電子ジャーナルしか読まないケースが主流になっているのではないか。
─学会誌の電子化などを通じた学会活動のアピールが、学会の会員増につながったケースも見られる。

2)その上で、「学会誌の電子化」に関わる検討課題といて、下記事項などが挙げられた。
①学会誌を電子化した場合、掲載されている書誌を、どのようなルールの下でオープン化していくのか。
─会員サービス(学会員になることのメリット)として、エンバーゴ(一定期間の非公開ルール。例えば、発行後1年間は、学会員以外はアクセスできない など)をかけるべきなのか。
─上記に関連する情報として、現時点でも「研究 技術 計画」に掲載された書誌は、J-STAGEを通じ、無償で入手できる形になっている。

②学会誌を電子化(冊子体での配布は廃止)した場合、冊子体を希望する機関、会員に対して、どのような対応を取るのか。
─現行の対応では、例えば、国会図書館などに対して冊子体を納本している。
─費用をかけずに希望者に冊子体を配布する方法として、オンデマンド印刷などの利用はあり得るのか。
─冊子体を希望する会員については、学会費を高く設定する方法もあるのではないか。

③学会誌を電子化した場合、電子化した書誌を、どのようなシステム、体制の下で管理していくのか。

④学会誌の電子化を図るには、どのようなプロセスが必要となり、どの程度の時間がかかるのか(現状では、早ければ平成31年度からの実行を目指した検討が進められている)。

3)今後について

①来年度に具体的な検討を継続して行うこととする。

②学会誌の電子化に伴う追加的費用は発生しない。

 

 

<学会活動の電子化のためのタスクフォースについて>

 

1.目的

研究・イノベーション学会の各種活動についての情報発信の強化、及び会員間での情報の共有促進を図るとともに、学会運営業務の効率化を図るため、「学会活動の電子化のためのタスクフォース」を総務・広報担当合同理事会の理事の一部で構成して設置する。

2.検討実績

総務・広報担当合同理事会における議論の論点を整理するとともに、学会活動の一部アウトソースの可能性なども含めて検討を開始。

3.今後に向けて

課題の整理並びに電子化の具体的手段等の検討を行うとともに、必要経費の算出を行い、再来年度以降での学会ホームページの改修に向けた仕様・予算案の検討を進める。また、その他、情報発信・共有の強化・促進及び運営の効率化に向けた取組みを適宜進める

 

 

<学会員のニーズ把握のタスクフォースについて>

 

1.目的

 研究・イノベーション学会の魅力を増し、学会員の増強をはかることを目的に、「学会員のニーズ把握のタスクフォース」を総務・広報担当合同理事会の理事の一部で構成して設置する。

2.開催実績

 2018年9月4日に第1回タスクフォースを開催し、本学会の魅力を増し、学会員の増強をはかるために必要な事などを議論した。

3.今後に向けて

2019年度に学会員のニーズ把握を具体的に行う予定で、ニーズへの質問を送信した際には、学会員に協力を依頼したい。